2020年10月10日付 京都新聞朝刊「日本人の忘れもの 知恵会議『未来に求められる人材とは」』に彌榮自動車株式会社 取締役社長 粂田佳幸の寄稿が掲載されました。
京都の底力―伝統創造の積み重ね
粂田 佳幸 彌榮自動車株式会社 取締役社長
コロナ禍で自由に移動して気兼ねなく人と会うことが自制され、大路小路から人の姿が消えるという極限の状態を経験しました。旅客運送事業の人と人とを結ぶ役割の大切さ、そして原点に立ち返って新しい価値観を見極める重要性を感じすにはいられません。本年は京都の伝統行事も形式を変えて行われています。まさに原点に立ち返って新たな伝統を創造する取り組みがスタートしています。
「相変わりませず」という言葉がありますが、本質は不変であることを申し合わせるせりふといえます。相変わりませずと言いながら、京都の伝統行事では復元や新調など新たな創意工夫が絶えることなく重ねられていることは周知のとおりです。本質を追求する創意工夫の積み重ねこそが、伝統を受け継ぐ取り組みそのものであることを、現代の私たちに教えています。
ヤサカの「三つ葉のクローバー」には、創業以来、幾多の困難を乗り越えてきた先人から受け継いできた安全・快適・信頼の意味が込められています。新しい価値観を見極め、地道に創意工夫を重ねて、新たな伝統を織り成す人こそが、京都の底力となる人材であるとし確信しています。