プロフェッショナル仕事の流儀

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藤井 秀樹

運輸部 安全管理課 課長

“彌榮自動車らしい”事故に対する姿勢。それを真摯に伝えること。

藤井の所属する安全管理課の業務は、大きく分けて二本の柱がある。
ひとつは乗務員の安全対策指導、そしてもうひとつは、統括責任者の立場で彌榮自動車で発生した事故の対応に当たることだ。

事故が発生したときは、主に各営業センター所属の副所長が窓口となって事故の対応を行う。
藤井の役目は、彌榮自動車として主張に一貫性を欠くことがないよう、先方との対応について指導を行うことである。

事故対応の業務は、いつも法律と背中合わせだ。
事故の相手が立てた弁護士と法廷で相対することもあるし、被害者の方の声を聞いて心情的にはもう少し対応をしたいと思うことも多いが、常に多角的な視点と冷静な対応が求められる。
長いものでは事故発生から解決まで6年かかった案件もあるほどだ。

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タクシー会社の多くは、事故の対応は保険会社に一任している。いろんな意見があるのは承知しているのですが…と前置きし、少し考え込んだ後、藤井は言葉を続けた。

『我々は、会社の看板を掲げてタクシー業務を行なっています。交通事故ゼロを目指すのはもちろんなんですが、やはり現実的に事故は一定数起こってしまうものです。過失の大小等はありますが、交通事故によって一般の方にご迷惑をおかけしてしまったという事実はあるわけです。

その対応を保険会社さんに一任、もっと言えば丸投げしてしまうのは、本当に正しいことのなのだろうか?という思いがあるんですね。

保険会社さんが対応しても、私たちが対応しても、結果は同じかもしれません。でも、ヤサカの代表として血の通った処理対応をするのが、タクシー会社としてのあるべき姿勢なのかな、と私は思っています。

変な話かもしれませんが、『結果的には事故の相手がヤサカさんでよかったよ』というお声も、何例もいただいています。

起こってしまった事故に対して、誠心誠意やるべきことをやるのが、“彌榮自動車らしいこと”だと思うんです』

乗務員への安全対策指導も
安全管理課の大切な仕事だ。

業務のもう一本の柱、乗務員への安全対策指導も安全管理課の大切な仕事だ。

入社して配属になる前の新入乗務員への講習、事故を起こした乗務員への講習、それぞれが実際の事故事例に基づいて行われる。

事故を起こさないための知識や注意喚起に加えて、事故に対する考え方や向き合い方を、乗務員にしっかりと伝えることを意識している。

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『新入乗務員研修でもいつも言うのですが、事故を起こしたことで退職したり、車に乗るのが嫌になったという事例は、やはり見ていて辛いものがあります。誰だって事故を起こそうとは思っていませんし、事故の怖さや辛さなんて味わいたくないんです。
被害者の方への対応は会社として私たちが最大限行うわけですが、乗務員の皆さんにも反省をもってしっかり前を向いてほしいんですよね。』

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Professional

藤井 秀樹が考える
「プロフェッショナル」とは?

『事故に関わった人たちが、事故に囚われないように』

『独立行政法人自動車事故対策機構(NASVA)という自動車事故の防止・被害者擁護の活動団体で、運航管理者が受講する講習の講師を、2019年からヤサカ代表として私が努めています。
この講習の中で同業他社の方々の前でお話しさせていただくんですけど、抱いている思いはみんな同じなんです。
事故をゼロにするのは難しいかもしれませんが、それでも常に安全運転を意識し、事故を起こさないように細心の注意を払う。このことを乗務員に伝え続けることが大切ですね。』

事故のマイナス面がいつまでも尾を引かないように。事故に関わった人全てが前に進めるように。
正しく処理をし、背中を押す—-。
それこそが、安全管理課・藤井の役目だ。